ハッピーアワーは恋する時間
「なるほど」
「それに俺自身が、不倫の代償だからな。結局のところ、浮気や不倫は好きじゃないんだ」
「え?」

亜幸さんは父親がいない環境で育ったということは、私も知っていた。
でも・・・そうか。
亜幸さんのお父さんって・・・既婚者だった、ってことか。

「あの・・・ごめんなさい」
「謝らなくていい。おまえにはいつか話そうと思ってたことだ」
「あぁそぅ・・・あの。亜幸さんは、お父さんに会ったこと・・あるの?」
「いや。俺が覚えてる限りは一度もない。たぶんあっちは、俺のことを知らないんじゃないかな。ま、父親が今どうしてるのか、調べようと思えばすぐ調べはつくが、あっちの家庭を壊す気はないから、無関係って現状を維持し続けるつもりだ」
「そう・・」
「ま、そういうわけで、俺は浮気も不倫もしたことないし、今後もする気はないってことを、おまえには知っててほしかった」
「う・・ん」

なんか、そういう言い方って・・・私だけ特別、みたいな響きがあって・・・。
胸がドキッと高鳴った私は、ついスマホを持つ手に力が入ってしまった。

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