ハッピーアワーは恋する時間
「遅くなったな。もう切ろうか」
「うん。あ!亜幸さん?」
「何」
「あの・・・ありがとう。色々話してくれて。それから、たとえどんな形で生まれてきても、亜幸さんは亜幸さんだから。そのぅ・・今の亜幸さんに出会えて・・・良かったって、私、思って・・ます」

・・・私が言いたかったこと、亜幸さんに伝わったかな。
自分でも何言ってんだか、って感じになっちゃったから・・・亜幸さん、無言なんだよね、きっと。
あぁどうしよう!
亜幸さんを怒らせちゃった・・・。

「亜幸さ・・・」
「ありがとな」
「・・・怒って、ないの」
「全然」と言ってフッと笑った亜幸さんの声は、確かに怒ってないようだ。

それに今、亜幸さんは、笑顔のまま、前髪をサラッとかき上げたんじゃないかな。
彼の顔や姿は見えなくても、落ち着いた声音から、何となくだけど鮮明に想像できて・・・。

つい私の顔にも笑みが浮かんだ。

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