ハッピーアワーは恋する時間
「あこう・・さん?」
「その赤ん坊・・・大きさからしておまえんじゃねえよな」
「違います」
「せつなは春花さんと俺の娘だ」と佐久間さんは言いながら、私の方へ手を伸ばしてきたので、私は佐久間さんにせつなちゃんを渡した。

「ねぇ亜幸さん、どうしたの?仕事中でしょ?」
「今休憩中だから、花束作ってもらいに来た」
「あぁ・・・もしかして、これ?」

配達コーナーにある数々のブーケの中に、一つ、大きくて新しいのが加わっている。
淡いピンクのバラ、白と紫のトルコキキョウをベースに作られたブーケはとても優雅、かつ豪華な雰囲気を醸し出している。

「ライラックは今時期じゃないって、佐久間から聞いた」
「あ、うん。そうだね。ライラックは先月までかな」と私は言いながら、鼓動がドキドキ早くなるのを感じた。

これって、もしかして・・・・・・。

< 79 / 137 >

この作品をシェア

pagetop