氷の唇、熱い狩人
冷たい、熱い
「何をやっている」
自分が人に知られたくないことをしているとき、いきなり後ろからそんなことを言われたら、肩を揺らすのは当然の摂理だとわたしは思う。
それが見目麗しく、北極南極の氷もびっくりの冷然なオーラを普段から放っているやつなら尚更だ。
「あ、あははは……」
誤魔化すようにヘラリと笑ってはみたものの。
「………」
「………」
……うん。結果、空気が更に冷たくなった。
対応間違えたな、わたし乙。死亡フラグたっちゃったよ。
マジ泣きてぇ。
「あー、えっと……あっ、相原 玲(あいはら れい)くんじゃないですか!こんなところで何してるんですかぁ?」
「湯佐 真鶴(ゆさ まづる)、君は馬鹿か?
質問は俺が先にしている。まずはこっちの質問に答えるのが筋だと思うが」
敵は絶対零度の瞳を向けてきた。
浮かべていた笑顔がひきつったのは仕方ない。自然現象だ。
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