夏祭り
タイトル未編集

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高校を卒業して、もう半年経つ。
『夏祭り、みんなで行こうよ!』
高校時代の親友からそんなメールが届いたのは、一週間前のことだ。

去年とは違った、少し大人びた紫色の浴衣を着て、待ち合わせした駅に向かう。

「奈那!久しぶり!」

「瑛美!なんか、大人っぽくなったね〜!」

高校時代の親友、水野奈那は、可愛らしい浴衣を着ていた。そして、その横に立っていたのは…

「玲央?」

「久しぶり、瑛美。」

「なんか、また身長伸びてない?」

「瑛美がチビなだけだろ?」

高校のとき、私がマネージャーをしていた野球部の元ピッチャー、鈴本玲央だった。奈那と玲央は幼なじみで、この3人で行動することも多かった。

「玲央がいるってことは、唯斗もいるの?」

そんなことを、ふと2人に尋ねてみる。

「うん。唯斗も来るはずだよ。」

「つか、もう来るだろ。さっき、あと少しで着くってメールきてたし。」

「ふーん。」

高瀬唯斗は、同じ野球部のキャッチャーだった、玲央の『女房役』。3年のときは、部長でもあった。

「おーい!玲央!奈那!瑛美!」

改札口から、小走りでこちらにやってくる唯斗の姿が見えた。私は、小さく手を振った。

「久しぶりだな、瑛美!」

こちらにやってくると、なんとも可愛らしい笑顔を向けてきた。

「玲央と奈那は、久しぶりじゃないな。」

「あぁ。」

「大学一緒だから、毎朝電車同じだもんね〜。」

他愛のない会話も、ほんの半年していなかっただけで、こんなにも愛おしいものになるんだ…そう、感じた。

「ねぇ、そろそろ行こうよ!」

奈那の声に、私は頷く。

「そうだね。行こう!」
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