恋物語 ~夏~
「なぁ~どこ行くん?」

「着いてからのお楽しみ♪」

「さっきからそればっかやんかぁ…」

「夏が子供みたいに聞きすぎなんやって!」

「んなことないですー」

「ありますー」

こんなことを言い合っとったら急に翔太がチャリンコを停めた。

「ひゃっ!」

「はい、ここからは歩きやから降りて」

「急ブレーキとか危ないやんかぁ!」

「ゴメンゴメン。エエもん見したるから許してや♪」

「見てから決める」

チャリンコから降りて少し山道みたいなとこを二人で歩く。

「コケてケガすんなよ~」

「せんわっ!っと…」

「危なっかしいなぁ…ほら!腕つかまり!」

「いらんわっ!」

「アカン。ケガしてからやと遅いからつかまりなさい」

「ケガなんかしーひんから大丈夫やって!」

「ったく…強情すぎやわ。はよ手つかまれって」

「いらんってば…」

ウチが拒否った瞬間に翔太がウチの手をつかんだ。
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