恋物語 ~夏~
「勝手につかまんでや」

「お前がずっと意地張ってるからやろ」

「意地張ってないし!」

言った瞬間ウチの足場が悪なって滑り落ちそうになった。

「ひゃっ!!」

「ほらみぃ。言わんこっちゃない」

「うー……」

もっともなことを言われて黙ってしもた。
確かに翔太に捕まれてなかったら滑り落ちとった。

「一応ありがと…」

「んー」

そこからもう少し歩いて丘みたいなんが見えてきた。

「もうすぐやから頑張りや」

「もー充分頑張っとるっちゅーねん!」
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