サンドリヨンに憧れて
選択?
さっき聞かされた話をあまり考えないでいようと家中の掃除を始めた。

孝男さんはソファーで本を読んでいた。

リビングは後にして・・・テラスのある部屋から掃除を始めた。

テラスの扉を開けて暫くそこに立っていた。

真夏の生ぬるい風が余計に不快感を感じさせた。

何故かさっきの話を聞いてから私の心の隅にこの恋愛はしてはいけないのかも

と思っていた。

始まったばかりなのに・・これぐらい今までの男に比べたら何ともないのに

何でやろ・・・何かが引っ掛かる・・・

ぼーっと立ったまま考えていると、後ろからギュッと抱きしめられた。

「うわぁ!びっくり・・した・・」

「呼んでも聞こえてなかったから・・どうした?考え事か?」

「ごめんなさい・・・」

「さっきの話・・やっぱり気になってるか?」

「そんなこと・・ないけど」

「うそつき・・」

「え・・」

「嫌な予感がする・・って考えてやろ?」

その言葉を言われて何も言い返せなかった。

「さてと・・・香澄・・今からええとこ行くから・・1泊の用意して」

「え?今から?」

「そうや・・行くぞ」

テラスの扉を閉めて、私の手を引き2階へと上がっていった。



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