アクアブルーのラヴソング
In America

1


代数Iの教室の扉に、一枚の黄色い紙が貼り出されている。
三か月ごとに発表される、このクラスの受講生の成績表だ。
いくら探しても自分の名前が見つからないので、ためしに下から探してみたら、すぐに見つかった。


Kyoji Sakurai: F


体がカッと熱くなるのを感じた。
ぼくの成績は、最低のFだった。

授業が終わった後、どうしても納得がいかないので、のん気に黒板を消しているタマゴ頭の数学教師に抗議しに行くと、彼はぼくの煮えたぎる殺意にはまったく反応せず、ただボードを消す手を止めて、簡潔こう答えた。
「だってきみは宿題をまったくやっていないじゃないか」
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