私のいじめと友情物語
「――やめなよ、その子嫌がってんじゃん」
後ろから声がした。
「おっ、君も可愛いねー」
男の人は私から手を離し、声をかけた人の方に歩いていく。
可愛いってことは……女子……?
「今よ! 早く! 走るよ!!」
そう言ってその子は私の腕を引っ張り、走り出した。
その子は髪が腰まで伸びていて、微かに花の甘い香りがした。
「……もうあいつら、着いてきてないわね。あなた大丈夫?」
「あ……はぃ……だいじょ――」
その瞬間、私は足の力が抜けて地面に座りこんでしまった。