恋、物語り


彼女はお弁当を広げて続けた。
「廊下に出ればアヤアヤって言って
コバの友だちだってアヤいるよとか言ってたし
すれ違う度にアヤ見てたし
……わかるでしょ?誰でも」

私はただ、無造作に広げたナツキのお弁当を見て
淡々と聞いていた。


気が付かなかった。
そんな風に私を見ていたこと。


「そっかぁ。分からなかったなぁ」

ふぅーとため息をついた。
顔が赤く染まるのを感じる。


「良いじゃん、コバ
まぁ…特別かっこいいわけではないけど
同年代からしても可愛いし
良い奴だよ、ほんと」

彼の屈託のない笑顔を思い出す。
小林くんか…。


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