手が届く場所
優希には、何も話していない。


両親も、和希の話はしたがらないため、
優希には話していないだろう。



だから優希は、何も知らない。


「話さないのは、フェアじゃないとは思うんだけどな。
それで混乱させたくないし、

俺は、ハッキリ言ってその事実を受け止められてない。

だから、優希がそれを知ってどう思うかがこわいんだ。」


優輝ならきっと、全て飲み込んで納得して、
そうだったんだ。ってあっさりに受け入れそうな気もするけど、


だけど

優希は自分の気持ちを隠すから、だから、

無理してわかったフリして1人で悩むかもしれない。



なんにせよ、
優希に重荷を背負わせたくはないんだ。




「だから、加藤和希が嫌いなの?」


大場は、そう言った。

おそらく、
優希の重荷になりうるから、嫌いなのか、とそう言いたいんだろうか。




「それは、あくまで理由の1つ、かな。」


優希が大切だし、重荷になって欲しくないってのは本当だけれど、
嫌いな理由と言うには、少し違う。
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