キミ色の夏


……冷酷非情。

とっても優しい人だと思っていたのに、本当は違う。

剛くんの本性は……全然、違うんだ……。



「だから花火大会の日に言っただろ、『杉田のことはさっさと忘れなよ?』って。 それってこういう意味だったんだよ」



……あの時、瑞希くんが剛くんのことで何か言おうとしてたのは、このことだったんだ……。



「ということで、俺の話はおしまい。
俺 自分の部屋行ってるから、あとは兄貴とごゆっくり」



ひらひらと手を振ったあと、

瑞希くんはリビングから出ていった。



「……」



残された私は、ソファーに座ったまま俯いていた。

隣に居る柚希くんの表情はわからない。

見えるのは自分の手、足、そして視界の端に映る柚希くんの足。


それ以外には見えなかったし、顔を上げることも出来なかった。



「……私、1年の時からずっと剛くんのことが好きで……いつも、一緒に居られることが嬉しくて……」

「知ってる」

「……剛くんはずっと私の近くに居てくれた。 付き合う前も、付き合ってからも……。
だけど違っていたの……? 私が知らなかっただけで、剛くんは色々な人と一緒に居たの……?」



声が震えて、ポロリと涙がこぼれ落ちる。


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