一途な彼と不器用彼女①
──*──*──




よし、早く作るために梨絵にも手伝ってもらう。


加熱時間とか考えるとまずは。



蒼依「梨絵は煮込みハンバーグのソースを作ってくれない?
私はハンバーグ作るから。」



やっぱり主菜のハンバーグからだよね。


でも早く出来てしまうと覚めちゃうから。


途中途中に副菜の物も作って。



梨絵「おっけ!
それにしても蒼依良く喋るようになったね?
特に王覇たちに。
もしかしたら開き始めてるんじゃない?」



やっぱり梨絵もそう思ったよね。


自分でもわかってる。


でも開きすぎるのはダメ。


程よい関係じゃないと関係ない人まで傷ついてしまう。


だってもう。



蒼依「そうかもね。
でも開きすぎてはだめ。
ほどよい関係じゃないと傷つくのは王覇たち。
私じゃなくて私の回りの人が傷つく。
もうあんな思いしたくないのよ。」



梨絵「そうね。
あの日は蒼依にとっても私たちにとっても辛い日になった。
もうあんな思いしたくないって思ったのもみんな同じ。
でも時間は過ぎるの。
いろんな人に出会いその人から大切な事も学ぶ。
別に出会った人みんなを守らなければならない事はないんじゃない?
私たちだって王覇だって自分の身は自分で守れる。
もちろん、あの姫もね?
だから全部自分で背負わず時には頼ってもいいんだからね?
それに王覇のみんなは裏切らない。
暖かい場所って言うのは蒼依もわかってるでしょ?
だから信じてもいいんじゃないかな?」



──梨絵



そうねあの日から進んでないのは私だけなのかもしれない。




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