イクメン作家と恋心。初期版。(修正済み&205ページ挿し絵有り)

しかし、それから数ヵ月後。
どうして私ってこうなるのだろうか?

「へぇ~それで、アパートが火事になり
部屋に住めなくなったという訳か?」

「いや、私のせいではありません。
隣部屋の人がその……火事を起こしてしまいまして
すみません」

正座をしながら、しゅんと落ち込んでしまった。

話は、こうだ。

あれから報道の方は、落ち着き
元の生活を取り戻した。

先生がテレビや雑誌に出るようになったのと
報道陣は、別の結婚スクープなどで
興味があちらに行ったからだ。

ちなみに先生の人気は、絶大だ!

あのルックスにテレビに見せる毒舌で
ワイルドなキャラ。

それにシングルファーザーでイクメン。

たちまち若い女性から年配女性まで
多くの女性ファンを増やした。
男性にも人気が高いとか

そんな私は、変わらずに担当編集者をしながらも
先生を振り向かせようと頑張っていた。

なのに…。

何故?住んでいたアパートの隣部屋の人が
火の後始末が悪く火事を起こしてしまった。

私は、仕事に行っていたので
無事だったけど…帰った時には、消防車が来る
騒ぎになっていた。

部屋は、半分燃やされ住める状態ではない。

つまり私は、必然的に部屋を追い出されるはめに

梨子に頼むも…断られ
行く場所がない私は、先生にしばらく
部屋に置いてくれないかと頼む事になったという訳だ。

「状況が大体分かったが、本当お前って
問題を度々引き起こすよな?
それで、俺を惚れさせるとかよく言えたもんだ」

「す、すみません…」

自分で言っておきながら情けなくなる。
これでは、惚れさせる前に…愛想を尽かされる。

すると睦月君が私の背中をポンッと叩きながら

「……ドンマイ」と言われてしまった。

トホホ……。


END。

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