イクメン作家と恋心。初期版。(修正済み&205ページ挿し絵有り)

「そ、そんな事はないと思います。だって、
ちゃんと面倒みていますし
何よりも睦月君は、先生の事が大好きです」

睦月君の本心を直接聞いた訳ではないが、
先生の事が大好きだと頷いていた。

「……そうか…」

微かに笑った表情をしているように見えた。

今……笑ったわよね?

するとフッと写真で見た先生の笑顔を思い出した。

幸せそうな雰囲気で
奥さんと生まれたばかりの睦月君が写っていた。

こんな笑顔をされた事がない。

まだ日が浅い自分が言うなんて図々しいと思うけど
でも、胸が痛んだ。

奥さんの事が羨ましいと思った。

「あの…睦月君の部屋で写真立てを見えたんですが」

「あっ?あぁ、見たのか?」

「奥さん。素敵な方ですね。綺麗で優しそうで」

一体どんな風に出会い結婚したのだろうか?

私は、気になって仕方がなかった。

そうしたら先生は、懐かしむように

「当たり前だ。俺が惚れた女だからな」

アッサリと認めた。

『俺が惚れた女』か……。

先生が、そう言わせる女性なんだと分かると
さらに胸が締め付けられそうになる。

「どんな方なんですか…?」

わざわざ自分から傷つく事を聞くなんて馬鹿だ。

でも、気になる。
先生の選んだ人だから

すると先生は、急に立ち上がり
「お前……酒飲めるか?」と尋ねてきた。

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