痛々しくて痛い
心の中で安堵のため息を吐きながら、私は引き出しを開けると、トートバッグからハンカチを取り出し、化粧室へと向かうべく立ち上がった。
用を済ませ、部屋に戻ると、染谷さん、大庭さんが出勤して来ていた。
「おはようございます…」
「おお、おはよう」
「オハヨー!綿貫さん」
二人に向けて挨拶を述べながら自分のデスクへと近付き、椅子に腰を落としつつハンカチを背もたれにかける。
濡れた状態の布を服のポケットやバッグに仕舞うという行為には大いに抵抗があり、それができる環境の場合は、私はいつもこんな風にどこかにハンカチを引っ掛けて、ある程度乾くまで待っているのであった。
正面に向き直った所で、ちょうど出来上がったばかりのコーヒーをさっそくマイカップに注いでいる染谷さんの姿が自然に視界に入る。
何となくそのまま彼の動きを観察していると、カップを手に、いそいそと自分の席へと歩を進め、椅子に腰かけるやいなや中身を一口啜り、「ふー」と満足気な吐息を吐いた。
絹田さんの言葉通り、駆けつけ一杯のコーヒーを味わうというのは彼にとってはかかせない習慣で、何ともいえない至福の一時のようだ。
上司に対して失礼だけれど、そのあまりにも幸せそうで無邪気な微笑みがとても可愛らしくて、思わず心の中で『ンフッ』と笑いを漏らしてしまった。
用を済ませ、部屋に戻ると、染谷さん、大庭さんが出勤して来ていた。
「おはようございます…」
「おお、おはよう」
「オハヨー!綿貫さん」
二人に向けて挨拶を述べながら自分のデスクへと近付き、椅子に腰を落としつつハンカチを背もたれにかける。
濡れた状態の布を服のポケットやバッグに仕舞うという行為には大いに抵抗があり、それができる環境の場合は、私はいつもこんな風にどこかにハンカチを引っ掛けて、ある程度乾くまで待っているのであった。
正面に向き直った所で、ちょうど出来上がったばかりのコーヒーをさっそくマイカップに注いでいる染谷さんの姿が自然に視界に入る。
何となくそのまま彼の動きを観察していると、カップを手に、いそいそと自分の席へと歩を進め、椅子に腰かけるやいなや中身を一口啜り、「ふー」と満足気な吐息を吐いた。
絹田さんの言葉通り、駆けつけ一杯のコーヒーを味わうというのは彼にとってはかかせない習慣で、何ともいえない至福の一時のようだ。
上司に対して失礼だけれど、そのあまりにも幸せそうで無邪気な微笑みがとても可愛らしくて、思わず心の中で『ンフッ』と笑いを漏らしてしまった。