痛々しくて痛い
「『発行はまだ数ヶ月先だし~』なんて呑気に構えてたら、それくらいの期間、あっという間に過ぎ去っちゃうからね。そのチャンスがあるんだったら、早め早めに対処して行かないと」


さすが今まで締め切りや納期といった、時間に制約がある中での仕事を数多くこなして来たのであろう、大庭さんの言葉にはこの上ない重みと説得力がある。


「元々、社内報作成に携わっていたメンバーから、『販促総プロ課が新設されて記念すべき一回目の発行なんだから、その特集号にしたらどうか』ってアドバイスを受けてさ。手前味噌な感じもしたけど、他に相応しい案も思い浮かばなかったから、ありがたく採用させてもらった」


大庭さんの主張のあと、再び染谷さんが話を引き取る。


「今まで概要しか明かされていなかったこの課の発足までの詳細な軌跡を、会長に語ってもらい、それを巻頭にドドーンと持って来ようかなと」

「あ。ズバリ、俺が大庭さんに助けてもらいながらテープ起こしした、あのインタビューですね?」

「そうそう。会長はお忙しい方だから、企画が出た段階ですぐにアポを取って、その時間を確保してもらったんだ」


麻宮君の問い掛けに答えてから、染谷さんは眉尻を下げて続けた。


「その時に、俺にも課長として『社員の皆さんへのご挨拶』的な物を載せるよう、会長に言われちまってさ」
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