痛々しくて痛い
「一度では対応しきれない為、数十人ずつでグループ分けをしてある」と担当者から説明を受けた時には、さらに絶望的な気持ちになった。


『真々田屋ってそれほどの大人気企業だったの!?』と。


いや、きちんと事前調査をしていればもっと早い段階で取得できていた情報だっただろうに、私は完全にそれを怠っていた。


無事エントリーが完了できただけでもう、あらかた仕事は終えたような気分になっていた。


ホント、就活を舐めていたとしか思えない。


現実を知り、コテンパンに打ちのめされた私だったけれど、だからといってそこで諦める訳にもいかなかった。


『やっぱり真々田屋で働きたい…』


高嶺の花だと気付いたからこそ、むしろ高まったその思い。


ここで頑張っておかなければ一生後悔すると思った。


どん底まで落ち込んだ気持ちを奮い立たせた事により、むしろ良い方向に勢いがついて、それまでの人生でおそらく初めてではないかと思えるほどがむしゃらに、全身全霊かけて、その後の筆記試験と三度に及ぶ面接に挑んだ。



……一体、どこでどのような奇跡が起きたのか。


長い戦いの末、なんと、無事、内定を勝ち取る事に成功したのだった。


滑り止め(というのはおこがましいけれど相応しい表現が思い浮かばない)として、他にも数社エントリーしていた企業があったのだけれど、案の定それらはことごとく惨敗だった。
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