痛々しくて痛い
……だってあんな事、言える訳がねーじゃねーか。


俺はPCに向き合い、適当なファイルを開いて、それを熱心に閲覧しているふりをしながら必死に自己弁護した。


これから先、吉田と綿貫がお互いに連絡を取り合う可能性は、きっと限りなくゼロに近いハズ。


あれだけ綿貫を嫌って叩いていた吉田は当然の事ながら、綿貫も、自分からそんな積極的な行動を取れるような性格ではないから。


それに、吉田とは最後の最後で仲良くなれた(という風に勘違いしている)けれど、あの話を聞く限りでは、きっと高校時代の、あまり愉快ではない思い出は他にもたくさんあるだろうし、吉田以外の女子との確執はいまだに残っているだろう。


だから綿貫グループは今後また同窓会やクラス会が開催されてもきっと参加はしないだろうし、元クラスメートとの接点はほぼ皆無に等しいと推理した。


つまり、吉田の毒々しい本音は、俺さえ黙っていればバレやしないという事だ。


わざわざ真実を告げて傷付ける必要なんかないじゃないか。


俺だけで良いんだ。


この痛みを引き受けるのは。


一人黙って耐えていれば、それで良いんだ。


綿貫のこの笑顔を曇らせるような事は決してしてはいけない。


大切な仲間を泣かせるような事だけは、絶対に、したくなんかないから。
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