痛々しくて痛い
申し訳なくて怖くて、とてもじゃないけど麻宮君には近付けそうにない。


一度そう考えてしまったら、もうダメだった。


元々あまり話などしなかったけれど、うかつに顔を合わせて不愉快な思いをさせないように、その日から最終日まで、麻宮君を避けまくりながら行動した。


渡辺さん達もあの件以来、麻宮君グループにはあまり接触しなくなったし、私に対してはしっかりはっきり意識して無視している事がヒシヒシと感じられた。


でも、その方がむしろ気が楽だった。


何かアプローチを仕掛けられたとしても、上手に対応できる自信なんかなかったし、江川さんと加藤さんは相変わらず優しく接してくれていたので、渡辺さん達と関わらなくても何ら不都合はなかった。


そうして、一ヶ月の研修期間はどうにかこうにか過ぎ去り、私達はそれぞれの勤務地へと旅立って行ったのだった。


人生最大級の罪悪感を抱えながらの、最悪のスタートとなってしまったけれど、配属先の方々との触れあいによって徐々に心が癒され、また、やりがいのある業務に夢中になっているうちに、いつしかその感情は胸の奥底に沈み込み、時折チラチラと顔を覗かせる程度に沈静化してくれていたのだった。


だけど今回の人事異動で、あっけなく浮上し、再び最重要事項の座に君臨してしまったのだけれど。


……あいたたた…。
< 68 / 359 >

この作品をシェア

pagetop