Assassins
SPEED KING
伊庭を蹴り落とそうとした瞬間。

「!!!!!!」

肌に粟立つような殺気!

反射的にしゃがんだ天敗星の頭上を、鋼線が掠めていった。

「素手の女に武器を使うの…?…しかもそんな鋼線なんて…私を縛って何するつもりかしら…」

ゆっくりと振り向く天敗星。

「素手だろうと女だろうと、敵相手なら何でもする…」

鋼線を自在に操りつつ、亮二は仕掛けた!

糸の閃光のみが、薄暗い幌の中で煌めく。

その煌めきを頼りに、回避行動をとる天敗星。

彼女が回避した後には、斜めに大きく切断された幌のみが残った。

括って絞殺するだけでなく、鋼線は斬撃武器としても効果を発揮する。

この狭い荷台で躱し続けるのは、難儀だった。

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