Assassins
逃走しながら。

「面白くない」

千里が呟く。

「まぁだ言ってるの?千里ちゃん」

奈美がケラケラ笑う。

「仕方ないわ。百八星は壊滅、私達は職を失って宙ぶらりん…おまけに目が覚めれば麻酔の効いた体でベッドに寝かされて、喉元にアイスピック突きつけられて、『組織に従うかこの場で死ぬか、今すぐ決めろ』なんて言われて」

景子が小さく溜息をついた。

…百八星が壊滅し、小野寺が殺害されたあの日。

あの場に存在した全ての遺体は、亮二達を飼う組織の手によって回収された。

そして、まだ辛うじて息のある者は組織の最新医療設備と医師によって治療を施され、一命を取り留めた。

生き永らえた上で問われたのだ。

『飼い犬として従うか、野良犬として死ぬか』

…千里達は、組織の暗殺者として生きる事を選んだ。

彼女達には、暗殺者としての技術しかない。

それを活かせる場など、同じ暗殺者を抱える組織しかない。

何より従わなければ、麻酔の効いたままベッドで殺される運命にあるのだ。

頷く他はなかった。

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