Assassins
やがて夜が更ける。

ベッドを準備したという牧師の厚意を無視して、亮二は教会内の長椅子で眠っていた。

ベッドでは万が一襲われた際に、初動が遅れる。

靴を履いたまま、得物のアイスピックも握り締めたまま、熟睡してしまわないように敢えて硬い長椅子で睡眠をとった。

暗殺者に安眠など有り得ない。

数多くの人間を殺してきた者は、同時に殺される事も想定している。

人間は寝込みを襲われるのが一番危険だ。

寝ている時ほど無防備な瞬間はないのだから。

それ故に眠っている時も、半覚醒状態。

眠っていながら意識は半分起きている。

そういう状態を維持できるように訓練していた。

< 72 / 360 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop