あなたと月を見られたら。
1.求めるものは愛ある男


今度恋をするときには、私のことを誰より大事に、誰より上手に愛してくれる人にする。


そう、私は決めている。


ちっちゃなことを喜び合えて、二人でいるだけで癒されて、二人で一緒に同じ方向を見つめて同じ幸せを感じられる人、そんな人と恋をしたい。


私が男性に求めるもの、それは愛。お金なんて、スペックなんていらないの。欲しいのは「見える愛」。それが私の一番の望み。



そんな風に思ってしまうのは…きっと元カレが本当に最低な人だったからだと思う。もう二度と付き合いたくない、最低最悪な元カレ佐伯龍聖は私より2つ年上。

当時の龍聖は29歳。外資系企業なんかに勤めちゃってて、趣味はフットサル。長身でスラッとしてて、顔立ちはハッキリしていて物腰も柔らか。誰が見ても好感の持てる魅力的な外見の持ち主だったように思う。


ディナーはいつも一流ホテル。ディナーの後はそのままホテルのお部屋でエッチになだれ込む。それがデートの定番。それに龍聖はマメな男で記念日的なモノにはプレゼントだって忘れずにくれていた。


側からみれば、元カレ佐伯龍聖(サエキリュウセイ)という男は完璧な男。


だ・け・ど!!


ヤツにはモテ条件はあるけれど、愛はなかった。



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