誘惑したくなる上司の条件


「それで?」

「それで?って?」

「この後の予定は?」

「この後?」


しまった‼

御百度参りばかり頭にあって、それ以外はノープランだった‼


「まさか…

終わり?じゃない…

よな?」


「えへへ」

「…マジか?」

「マジです!」


あたしの笑顔を見てやっぱりすぐに呆れ顔になる。


「デートコースが御百度参りで…

しかもそれだけって…

お前は本当に女子なのか…?

なんか、俺、泣けてきたぞ?」


「すみません!すみません!本当に申し訳ないです!」


ただ、ひたすら謝る私に

ため息を一つ返す。


「ま、果穂だから仕方ないか…」

そう言って

頭を撫でてくれる。


そんな課長だから


やっぱり、惹かれてしまう。


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