誘惑したくなる上司の条件

タイトスカートに気を使ってずっと正座をしていた足も痺れの限界。

足をくずした時だった。

「果穂、女がはしたないぞ、太腿が見えてるじゃないか、上着で隠すことくらいしろ!」


さっきまでみんなと冗談を言いあっていた課長が

突然、私を叱りつけたので、一瞬…その場が静まり返った。


「真島、果穂の足なんて誰も興味ないぞ」

課長の同期の先輩が、冷え切った空気を和ませようと冗談を…冗談であって欲しい事を言ったけど…

課長は足をくずしたまま驚いて硬った私を睨みつける。


「果穂、上司が言ってるんだ。直ぐに座り直すか、上着をかけろ!

早くしろよ!」


課長の静かな怒鳴り声に

空気が冷たくなるどころか、凍りつく。


「課長…すみません。」

「どうした?」

「足の痺れが限界で上着をとりにいけません」

半泣き状態でぷるぷる上着を指差すと

「呆れた奴だ」とさっと上着を取りにいって足元にかけてくれる。


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