不良リーダーの懸命なる愛 〜プール編〜

「オイ!!なんで俺が悪いみたいになってんダヨッ!!店のパソコン使って何が悪い!?
それに今白状しやがったな?!!やっぱり覗き見てたんじゃねぇかっっ!!!!」


「……仕方ないわね~、それに関しては認めてあげるわよッ!
でもね!?調べながら独り言で今日の咲希とのデートの事を女々しくブツブツと勝手に呟いてたのは、リッキー!!アンタだってことを忘れんじゃないよッッ!!!!フンッ!!」



え……。




そ、そんなことがあったの……?



そろ~っと霧島くんの方へ視線を移すと…。




「なッーー?!!ジ、ジジイ!!作り話してんじゃねぇーー!!!」



霧島くんは真っ赤な顔をして少し狼狽(うろた)えながら反論していた。




き、霧島くん、



耳まで真っ赤に…!



普段は決して覗けない彼の素顔の一面を見れて、私はなんだか急に嬉しくなってきてしまった。



「ふふっ。」


自然と笑みも零れてしまう。



「あら!咲希に笑われちゃったわね~、リッキー?」



へ……?



し、しまった!!



つい無意識に笑っちゃったよ!!



対する霧島くんはバツが悪くなったのか、私の腕を強引に掴んでは踵を返してその場所から離れようとする!




「…………。」


「ちょっとリッキー!!逃げる気!?忠告しておくけど、それ以上暴走すんじゃないよッッ!!!咲希に迷惑かけんじゃないわよ!!?いいね?!!」


「…………。」


「リッキーッ!!!聞いてんの!?やったら後で酷いから覚えておきなよ!!!」


「…………。」



「咲希になんかしたら許さないよッ!!いかがわしい行ないをしてごらん!その時はアタシが天誅を下すからね!!!わかった!!?」


「…………。」



む、無言を貫いておられる……!!



リッキーこと霧島くんは、その後マリコさんに二度と返事をすることはなかったのだった。

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