死と憤怒
『わすれてた!!』
ローレンスは狼狽える。
『そういえば。』
そう言うとヴォルフラムはローレンスに耳打ちをする。
『出来が良いものではないが、もう1つ書きかけのレポートがある。』
『マジで!?』
『資料の明確さや鮮明さが不十分で別の課題に移ったものだが。少し書き足せば使えるかもしれない。』
『いい!俺、馬鹿だから!!変でも書きゃいい!』
必死に懇願するローレンスを、毎朝メアリーから匿ってもらっている恩があるヴォルフラムは無下に出来なかった。
そんな経緯で、今の今まで最後の文をまとめていた。
筆跡が違うが教師も周囲もまさか2つも調べているとは考えない。
それも、ジャンルが全く別系統だ。
結局、少年は相手にされずに忘れたということで廊下に立たされていた。
(あぶねー……)
ローレンスは課題を忘れないように気を付けようと心に決めた。
……この行動は週に1度のペースでやっているのだが。
学業を終えるとメアリーが待っていた。
「天敵のお待ちかねだ。」
ローレンスは耳打ちをした。
「ローレンス」
「あら。逃げる気?」
ヴォルフラムは感情を消し去った表情でローレンスに隠れようとするも、未遂に終わった。
ローレンスを掴んで引き剥がすと、メアリーがヴォルフラムに近寄る。
「う、」
呻き声を上げてたじろいだ。
「何?“う”?」
「う、う、う……ウレシイデス。」
「あら〜、かわいいところあるじゃなーい。」
にこにこと笑って、メアリーがヴォルフラムに抱きつく。
ヴォルフラムの顔から血の気が引いたのがローレンスにはわかった。
(何で苦手なんだろう。)
メアリーは外見が怖いわけでも性格が悪いわけでもない。
確かに勝気で上から目線ではあるが、人当たりはそれなりにいい。
ローレンスから見れば、高嶺の花で才女という印象だ。
(俺だったら、喜んで結婚するけどな。)
そう思うが、実際に目の前の婚約者は完全に怯えきっている。
先程から表情を動かさずに真っ青な顔色でメアリーと対峙している。
「何よ。」
メアリーは不服そうだ。
「私はこんなに愛してるのに、貴方は唯の義務なわけ?」
「……」
言葉に困った様子でヴォルフラムが黙る。
「恋愛は解りませんので。」
「まずは、敬語をやめなさい!あと、視線をそらさない。」
「はい。」
ローレンスは狼狽える。
『そういえば。』
そう言うとヴォルフラムはローレンスに耳打ちをする。
『出来が良いものではないが、もう1つ書きかけのレポートがある。』
『マジで!?』
『資料の明確さや鮮明さが不十分で別の課題に移ったものだが。少し書き足せば使えるかもしれない。』
『いい!俺、馬鹿だから!!変でも書きゃいい!』
必死に懇願するローレンスを、毎朝メアリーから匿ってもらっている恩があるヴォルフラムは無下に出来なかった。
そんな経緯で、今の今まで最後の文をまとめていた。
筆跡が違うが教師も周囲もまさか2つも調べているとは考えない。
それも、ジャンルが全く別系統だ。
結局、少年は相手にされずに忘れたということで廊下に立たされていた。
(あぶねー……)
ローレンスは課題を忘れないように気を付けようと心に決めた。
……この行動は週に1度のペースでやっているのだが。
学業を終えるとメアリーが待っていた。
「天敵のお待ちかねだ。」
ローレンスは耳打ちをした。
「ローレンス」
「あら。逃げる気?」
ヴォルフラムは感情を消し去った表情でローレンスに隠れようとするも、未遂に終わった。
ローレンスを掴んで引き剥がすと、メアリーがヴォルフラムに近寄る。
「う、」
呻き声を上げてたじろいだ。
「何?“う”?」
「う、う、う……ウレシイデス。」
「あら〜、かわいいところあるじゃなーい。」
にこにこと笑って、メアリーがヴォルフラムに抱きつく。
ヴォルフラムの顔から血の気が引いたのがローレンスにはわかった。
(何で苦手なんだろう。)
メアリーは外見が怖いわけでも性格が悪いわけでもない。
確かに勝気で上から目線ではあるが、人当たりはそれなりにいい。
ローレンスから見れば、高嶺の花で才女という印象だ。
(俺だったら、喜んで結婚するけどな。)
そう思うが、実際に目の前の婚約者は完全に怯えきっている。
先程から表情を動かさずに真っ青な顔色でメアリーと対峙している。
「何よ。」
メアリーは不服そうだ。
「私はこんなに愛してるのに、貴方は唯の義務なわけ?」
「……」
言葉に困った様子でヴォルフラムが黙る。
「恋愛は解りませんので。」
「まずは、敬語をやめなさい!あと、視線をそらさない。」
「はい。」