きみが教えてくれた夏
第1章:夏の始まり
暑い。
とにかく暑い。


夏ってものはなぜこうも暑いものなんだろうか…。
世間では地球温暖化なんて騒いでいるからそのせいなんだろうか。


なんにせよ、今は地球全体の事なんて考えてはいられない。


私は今、この自分に降りかかっている暑さをどうにかしなければならないのだ。



「う〜…溶ける…溶けてしまう…」



昔ながらの扇風機に「う〜…」と唸ること数十回。
畳にごろんと横になってはみるが涼しさの欠片もない。



「暑いよ〜、おばあちゃん、クーラー買おうよ〜」



暑さでグダグダの私とは大違い。
おばあちゃんは白髪混じりの髪を一つで結び汗ひとつかかずに洗濯物を干していた。



「なにを馬鹿なこと言ってるんだい。自然の風のほうが体にはいいんだよ?」



「ぶー…」
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