続・祈りのいらない世界で

2・トラウマ

結婚式も終わり、日常生活に戻ったキヨ達。



「ねぇ、なんでイノリって家で仕事してる時だけ眼鏡してるの?」

「頭痛くなるからずっとはしたくねぇんだよ」

「ふーん。変なの」



キヨは部屋で仕事をするイノリのベッドに寝転がりながら、黒縁眼鏡を掛けているイノリを見つめていた。




「ゲームばっかりしてるから目が悪くなるんだよ。勉強なんて滅多にしてなかったのに」


「うるせぇな!仕事してんだから話掛けんな!!お前は早く寝ろ」


「仕事を家庭に持ち込むなんて最低よ!会社で終わらせて来なさいよね」


「俺が残業して帰ってくんのが遅くなったら泣くのは誰だよ」



イノリの言葉に反論出来ないキヨは毛布にくるまると、ふて寝した。


イノリがパソコンのキーボードを打つ音とキヨの寝息がこだまする。




「…はぁ。やっと終わった」



イノリは伸びをするとパソコンを閉じ、ベッドで眠るキヨに歩み寄った。




「お前、自分の部屋で寝ろよな。…ふっ。寝顔は昔から変わらずアホ面だな」



イノリがキヨの寝顔を覗き込むと、いきなり飛び起きたキヨと額が思い切りぶつかった。



「いってぇ!!いきなり起きんなよ…って、何で泣いてんだ?」



何故か泣いているキヨに気付いたイノリ。
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