続・祈りのいらない世界で
恋愛って不思議。
歌って不思議。


同じ人間でも恋愛はみんな違う。


ひとつひとつの恋愛はまるで恋をしているその人の物語としてページが増やされていく。



それは甘かったり切なかったり、苦かったり痛かったり。



そしてその物語に似合ったBGMや主題歌が必ず存在する。

そんなこの世界を素敵だと思う。





何十億と人がいる世界には、何十億通り分の恋愛がある。


それだけの数の恋愛が存在するのに、同じものなんか1つもない。




私がこの世に1人しかいないように、私が紡ぐラブストーリーは誰にも真似出来ない。

だから恋愛は楽しいんだよね。





恋の物語の主人公とパートナーが、幸せな結末を迎えるだけが恋愛じゃない。


だから幸せな結末を迎えられた2人は、運命で結ばれている。




そう思うから、誰かが涙を流した末に結ばれた恋ならば、その結ばれた糸を簡単に切り離したりしてはいけない。



イノリにしか恋をした事がない私は、恋愛の深みや醍醐味は知らないし、他の恋愛も知らない。


だから視野が狭いだけかもしれないけど。





優しく流れる歌を聞きながら恋愛について考えていたキヨが曲を変えようと


携帯を眺めながら十字路に出た時だった。




辺りにクラクションの音が響き渡る。



「きゃああああ!!!!」




キヨは横からやってきた車と自転車の荷台がぶつかり、自転車から振り落とされてしまった。
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