続・祈りのいらない世界で
元から口は悪いし、ロマンチックな気の利いた言葉なんて言ってくれないイノリ。
そんなのわかってるし、そんなもの期待していない。
だけど他の女を可愛いだなんて言って欲しくない。
「…いつからこんなにヤキモチ妬きになったんだろう。もう幸せなはずなのに…」
昔、イノリは『大切なものを失いたくないから手に入れない』と言っていた。
あの頃は、欲しいなら何も迷わず素直に欲しいと手に入れればいいのに…と思っていたけど
今ならわかる。
幸せになればなる程、それが夢のように儚く覚めていく気がして恐い。
だから増えていくワガママと独占欲。
イノリもカゼもこんな想いを抱えていたんだね。
キヨは部屋に置いてあるドレッサーの前に座ると、ハサミを手に取り髪にあてがった。
「美月、風呂入らねぇか」
キヨをお風呂に誘いに来たイノリがキヨの部屋に入ると、イノリの目には見知らぬ女の子が映った。
「…は?えっ…美月?」
イノリの目に映ったのは、バッサリと髪を切り落としたキヨ。
ショートカットのキヨなんて23年間生きてて初めて見る。
「何やってんだよ、お前は」
「…だって…イノリっショートの女の子好きって…可愛いって言ったもん…」
キヨは長年大切に伸ばしてきた髪を切った事が悲しい気持ちと、イノリへの嫉妬心で泣き出した。
「バカだな。お前は何もしなくても可愛いんだからいいんだよ、そのままで」
「…イノリっ」
「てか、ショートになって可愛くなりすぎだ。お前、髪伸びるまで外出禁止だからな!買い物はケンに行かせろ」
そう言ってニカッと笑うイノリにキヨは抱きついた。
イノリはキヨを抱きしめ返すと、ソッとベッドに押し倒した。
そんなのわかってるし、そんなもの期待していない。
だけど他の女を可愛いだなんて言って欲しくない。
「…いつからこんなにヤキモチ妬きになったんだろう。もう幸せなはずなのに…」
昔、イノリは『大切なものを失いたくないから手に入れない』と言っていた。
あの頃は、欲しいなら何も迷わず素直に欲しいと手に入れればいいのに…と思っていたけど
今ならわかる。
幸せになればなる程、それが夢のように儚く覚めていく気がして恐い。
だから増えていくワガママと独占欲。
イノリもカゼもこんな想いを抱えていたんだね。
キヨは部屋に置いてあるドレッサーの前に座ると、ハサミを手に取り髪にあてがった。
「美月、風呂入らねぇか」
キヨをお風呂に誘いに来たイノリがキヨの部屋に入ると、イノリの目には見知らぬ女の子が映った。
「…は?えっ…美月?」
イノリの目に映ったのは、バッサリと髪を切り落としたキヨ。
ショートカットのキヨなんて23年間生きてて初めて見る。
「何やってんだよ、お前は」
「…だって…イノリっショートの女の子好きって…可愛いって言ったもん…」
キヨは長年大切に伸ばしてきた髪を切った事が悲しい気持ちと、イノリへの嫉妬心で泣き出した。
「バカだな。お前は何もしなくても可愛いんだからいいんだよ、そのままで」
「…イノリっ」
「てか、ショートになって可愛くなりすぎだ。お前、髪伸びるまで外出禁止だからな!買い物はケンに行かせろ」
そう言ってニカッと笑うイノリにキヨは抱きついた。
イノリはキヨを抱きしめ返すと、ソッとベッドに押し倒した。