続・祈りのいらない世界で
「お前のはこれだ。特注なんだから大切にしろよ」



キヨがネックレスのタグを見ると


『INORI
MITSUKI

I just want to protect you.


and YOUSEI』


と刻印されていた。





「…?どういう意味?」


「守りたいのは美月とガキだけだって意味だ」


「ヨウセイっていうのは?」


「ガキの名前。春生まれの子供の名前の辞書みて、一番気に入ったんだよ」



ヨウセイは漢字で書くと陽生。


イノリが考えていた子供の名前を教えてくれなかったのは、今日の日のためだったという事を知った。




「ヨウセイかぁ…。まるっきり男の子の名前だけど女の子生まれたらどうするの?」

「大丈夫。ぜってぇ男だから」

「何を根拠に確信してるのよ」

「…勘」





イノリが考えていた名前一覧表には、永遠(とわ)・空(そら)など奇抜な名前が並んでいた。


その中から選ばれた名前、陽生。





それはイノリから我が子への最初のプレゼント。
< 288 / 386 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop