続・祈りのいらない世界で
「私のせいで…キヨとフウを傷付けてしまったわね」


「カンナだけのせいじゃねぇよ。…フウが美月をママって呼ぶ事を黙認してた俺も悪い」



涙ぐむカンナの肩を叩くと、イノリはキヨとフウを一緒に抱きしめた。




「フウ、ケンは頼りねぇからお前がママを支えてやれ。…フウなら出来るよな?」

「……あい!」



イノリの言葉の意味を理解していないだろうが、フウは元気よく返事をした。

それだけで、安心させてくれる。




「だっ!」



泣きじゃくるキヨの元にお腹をズリズリさせてハイハイしたヨウセイがやって来た。


ヨウセイはキヨの足をペンペン叩く。




「ヨウセイが乳よこせだってよ。…ママ」

「イノリっ…今それは狡いよぉ」




24年間
片時も離れなかった幼なじみ達は


それぞれの道を歩く事を決めた。




「俺は死ぬまで一緒にいるよ。だから泣くな」



イノリがいればいい。
イノリだけは離れていかないで。



そう思っていたけど

……そうじゃなかった。




みんなといたい。
みんなにそばにいて欲しい。




でも子どもの頃と違ってそんなワガママ、言えるワケなかった。
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