続・祈りのいらない世界で

34・おかえりなさい

「はい、陽ちゃん。…あーん」

「べっ!」



生後6ヶ月になったヨウセイは、離乳食を始めるようになった。


離乳食と言っても、くたくたに煮たお粥に、すり下ろした人参を混ぜた重湯。




「べっ!しないの。あむあむするのよ」

「ぶっ…!」



しかし、ヨウセイは口に入れたお粥をすぐ吐き出してしまう。


キヨはまだ早いのかと悩みながらも、離乳食を食べる練習をさせていた。




「フウは離乳食、モリモリ食べてたのになぁ。…やっぱり赤ちゃんの成長はそれぞれ違うんだね」



キヨがヨウセイの口元を拭っていると、ヨウセイの手がお粥の入った器に当たり、ヨウセイの足元に寝っ転がっていたフウの顔に落ちた。


ビックリしたフウは泣き叫ぶ。



「……うぎゃああ!!!!」

「うぇぇぇっ!!」



その声に驚いたヨウセイも泣き始める。
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