続・祈りのいらない世界で
「よしよし、2人共ビックリしたね」



キヨはフウの顔を拭うと2人を抱き上げ、抱きしめた。




「よーちゃんが、ぼっしちゃったの?(零しちゃったの?)」

「そうなの。でもワザとじゃないから陽ちゃんのこと怒らないであげてね」

「……ふう、めっ!ないよ。よーちゃん、いいこなの」



フウはヨウセイの頭をナデナデしてあげた。

そんなフウの頭をキヨが撫でる。



「フウもいい子だよ」

「……よーちゃんとふう、いっしょ?」

「うん。陽ちゃんもフウも同じくらい、いい子よ」



いい子と言われてニッコリと微笑むフウ。


この間まで成立していなかったフウとの会話も、すっかり成立するようになっていた。




「本当に…大きくなったね」



沢山の成長を見せてくれて
沢山の感情を教えてくれたフウ。


それももうすぐ終わってしまう。




「…泣いちゃダメだ」



キヨは込み上げてくる涙をグッと堪えた。
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