不要なモノは愛
恋というモノ
松野兄は、夜景がきれいに見えるレストランで夕食の予定だったと言っていたけど、私の勝手な気持ちで駐車場まで引っ張ってきた。


「でも、小夏から手を握ってもらえるのは良い気分だな」と機嫌良く私の家に向かって、車を走らせている。

デートというモノは終了で、後は帰るだけ。

嫌いなはずの人との初めてのデートだったけど、予想外に楽しかった。

ドキドキしたり、恥ずかしくなったりといつもと違う自分に戸惑ったけど…まだ戸惑っているけど、デートは悪いモノではなかった。

でも、今日は家で頭の中を整理したい。秋絵にいろいろ話して、教えてもらいたい。今から、会えないかな。

春海くんとデート中かな。秋絵たちはどんなデートをするのだろう。


「小夏、行くよ。降りて」


「え?行く?何でここ?」


考え事をしていたから、車が止まったことに気付かなかった。着いたところは家ではなく、スーパーだった。よく利用するスーパーで家にも近いけど、何のために寄ったのだろう?
< 122 / 158 >

この作品をシェア

pagetop