不要なモノは愛
ポンポン…

約束通り、家まで送ってくれた松野さんは、私の頭を軽く叩いて「おやすみ」と爽やかな声を残して、帰っていった。

頭をポンポン…私は子供だと思われている?

どんな扱いをされているのかサッパリ分からない。松野さんは、謎な人だ。


しかし、意地悪な人なのか優しい人なのか、どっちなんだろう。

今日、初めて会った人だけど、すごく意地悪な人だと思っていた。

でも、二人だけで話したときは、何となく優しさを感じる部分があった。何となくだから、勘違いかもしれないけど。


それにしても…子供を授かるということは、意外に難しいモノだ。

思い描く相手が見つからない。

立候補する人はいるけど、受け入れると要らないモノまでついてきてしまう。


どうしたらうまくいくのだろう。

家族を手に入れるための妊娠計画は全然進む気配がない。もっと違う観点から探すべきかもしれない。

そんなことをベッドの上で転がりながら思って、いつしか眠りについていた。
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