強面彼氏
階段を上がると手前がお兄ちゃんの部屋

そして奥が私の部屋

私は、部屋着に着替えて、お兄ちゃんの部屋のドアをノックする。

何も返事がないので開けるとお兄ちゃんはベッドでうつぶせになり壁際にくっついて寝ている。

昔からお兄ちゃんは端っこに詰めて寝ちゃうんだよね。

豪君はというとベッドに背中をもたれかけ本を読んでいた。

私はとりあえず「いらっしゃい」と少し小さな声で言うと豪君が「ああ」と返事する。

話すこともないので「ごゆっくり」と挨拶をして自分の部屋へ戻った

自分の部屋のドアを開けて中に入ろうすると後ろに人の気配が・・・・

はっと後ろを振り返ると豪君がじっと私を見下ろして立っていた。

足音聞こえないからびっくりした。

じっと私を見下ろす豪君・・・や、やっぱりあの目、表情が怖い…しかも睨んでる・・・

私はどうにか声を出して「ど、どうしたの?」と聞くと

「暇だから美奈の部屋にいる」といいだした。

なんか怒ってる顔してるし嫌だって思いつつあの無表情の顔を見ると「嫌だ」という言葉が言えずに

「どうぞ」と笑顔で言ってしまった。

先に部屋に入るように言うとすたすたと私のベッド付近に座った。

立っていても座ってても大きな人・・・部屋が小さく見える

「ふふふ」と笑うと豪君は「何がおかしい?」と聞いてきた。

隠すのも悪いと思ったので

「豪君が私の部屋にいると部屋が小さく感じるなあって思ったの」と話すと

そうかと言い今の話に興味がなかったのか本を読み始めた。

「えっ本読むならお兄ちゃんの部屋でよくない?」と思ったが言うのを我慢した。


仕方ないので、私も二人きりで何していいかわからずとりあえず携帯を出して

メールチェックしていると心からLINEが来てたので読んだ。

心は、今勤めてる岡野商事の新社員研修の時に知り合った。

見た目は小さくてかわいいのに、結構ズバズバものをいうので見た目と中身が違うとびっくりした。

でも嘘を言わないから心の事は信用できるし今は親友だ!!

しかも、経理で隣同士の席だ!!

心からのLINEの内容が「明日、いつもの飲み屋で合コンがあります。もちろん参加でOKだよね(^_-)-☆」

と来ていたので「また合コンか」と口が滑ってしまった。

私はあまり男の人が好きになれないというか信用ができないんだと思う。

今までの彼氏指で数えるぐらいしかいなかったけど私と付き合い始め皆うちに連れてきたぐらいから

連絡が取れなくなったり、いつの間にか自然消滅になるので・・・・

ため息をつきながら心に返事を打とうとするといきなり手元に持っていた携帯を取られてしまった。

「へっ?」とびっくりしていると豪君が何かを打っている

それが終わると携帯を私に戻しまた本を読み始めた。

何?なんでいきなり携帯取られたの?すぐにLINEを見ると・・・・

「な、何よこれ」

「彼氏がいるからもう誘うな」

しかも心もう既読してる・・・・

豪君に文句言おと立ち上がり豪君の前に立つといきなり右手を引っ張られ

豪君に抱き着くような形で倒れ込んだ


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