拝啓

その日は朝からソワソワしていた。
私の落ち着かない行動に宗ちゃんが口を開いた。
『華澄。どしたの?何かあるの?』

私は慌てて答えた。
『ウウン。昔の知り合いに久し振りに会うから、緊張してるだけ。』

私は嘘は言ってない。だって私は昔冬也さんに会っているのだから…。
赤ん坊の頃だけど…。

宗ちゃんは『ふーん。』と言って母の遺影を眺めてポツリと言った。

『この写真。何か違うんだよね…。』

私は不思議に思い宗ちゃんに聞いた。

『どう言うこと?』

すると遺影を手に取り写真を見ながら答えた。

『嫁さんなんだけど、何か違和感があるんだよ。確かに嫁さんだけど何時もの嫁さんじゃない。』

私は言った。
『宗ちゃん…。それなら宗ちゃんの好きなママの写真を飾れば良いよ。』

宗ちゃんは私を見て言った。
『そうだな。写真探そう。』

そう言うと、タンスから沢山のアルバムを出してきた。
私は約束の時間まで自分の部屋に居た。
宗ちゃんには知られたくないから。
私は嘘が下手で直ぐに宗ちゃんにバレてしまうから。
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