みんなの冷蔵庫(仮)2
「え、野崎さんは俺の部屋で寝て……」


全てを聞き終わる前にシグマの部屋のドアに飛び付き、開け放つ。

やはり誰もいない。


「まずい! シグマ! 探しに出るぞ」


携帯電話を手にした途端、タイミングよくそれが鳴る。

今まさにかけようとしていた相手からだったので、即座に出る。

この非常事態を伝えようとするより先に、興奮した声でまくし立てられる。


『京極さん、トキオこと八千草は』


今それどころではない、と言おうとして、次に紡がれた言葉に凍り付く。


『小鳩ひまわり園――シグマさんと同じ施設の出身者です』






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