みんなの冷蔵庫(仮)2
迎えに
ためらってしまったらもう二度と京極に光を向ける事ができなくなりそうだと思い、目を閉じて集中すると、一気に全身のパワーを手の平に集めた。

それを放つ時に目を開けようとして、瞼が引きつったように開かない事に気付く。

開けることができない。

――怖くて。

硬直したまぶたの内側を微かに震わせ、伸ばした腕から光を解き放つ。

頭の中で冷蔵庫の扉を開け、そこへ京極の背中を押し入れるイメージを浮かべ、閉める。

そしてそのまますぐに叫ぶ。


「シグマ!!」


叫んでからゆっくり目を開ける。


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