【流れ修正しつつ更新】流れる華は雪のごとく
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海松を家の中に待機させ、結界を張ってから露李たちは蔵へ向かった。
皆で結界を張っているにも関わらず、蔵からは有り得ないほどの邪気が流れ出ていた。
露李は緊張しつつ扉の前に立つ。
掌でその頑丈な鉄の扉に触れると、秋篠の紋と夏焼の紋が守護家の五色の光に照らされて浮かび上がった。
その紋の奥から暗いものが出よう出ようと足掻いているのが分かる。
目を閉じ、大きく深呼吸をした。
後ろからそっと肩に手が置かれた。
「露李。結界破り、俺がやろうか」
疾風だった。
少し考え、露李は笑顔で頷いた。
確かに、誰かに破ってもらった方がその後に動きやすい。
「うん、お願い。それから」
さっと皆を見渡すと、全員が神妙な顔で露李の目を見返した。
「結先輩、邪気を私の方へ出来るだけ誘導してください」
「おー!」
「文月先輩。何か起こるか分かったもんじゃないので、私たちの周りに壁を造ってください」
「おっけ、了解」
「理津、この周辺に耳塞ぎと目隠しお願い。人が来たら危ない」
「おう」
「静くん、結界の強化と海松ちゃんの安全確保を頼むね」
「分かりました」
「疾風。ここの結界を破って、そのあと邪気が出てきたら私が入ってから扉を閉めて」
「…承知した」
「氷紀兄様は──」
「俺はいつも露李の傍に」
「…お願いします」
それぞれの返事を聞いたあとで、各々が位置についた。
静と理津は二人で周囲を固めに行き、文月は木と氷で蔵を包むドームを造る。
そして露李、疾風、結、水無月の四人は扉の前に立った。
疾風が拳に赤い気を纏った。
「行くぞ。いち、に──さん!」
雷のようにバリバリと音が轟いた。
驚くほどの邪気が溢れ出す。
しかしまだこれは序盤だ。
「開けるぞ!」
疾風の手によって扉が開けられた。
「出でよ、雹雷鬼!!」
邪気が迸ると同時に露李が叫び、金銀の光がその黒を圧倒する。
周りに輝く結界が張られた。
「行くぞー露李!」
結がふわりと飛び上がり、翡翠の風を吹かせた。
邪気が流れる。
露李が雹雷鬼をくるりと舞うように動かすと、黒い気を包んだ銀色の球体がふわふわと浮かんだ。
「…グロテスクなシャボン玉って感じだなー!」
「結!ふざけてないで風!」
感想を言った途端に文月に叱られる結。
海松を家の中に待機させ、結界を張ってから露李たちは蔵へ向かった。
皆で結界を張っているにも関わらず、蔵からは有り得ないほどの邪気が流れ出ていた。
露李は緊張しつつ扉の前に立つ。
掌でその頑丈な鉄の扉に触れると、秋篠の紋と夏焼の紋が守護家の五色の光に照らされて浮かび上がった。
その紋の奥から暗いものが出よう出ようと足掻いているのが分かる。
目を閉じ、大きく深呼吸をした。
後ろからそっと肩に手が置かれた。
「露李。結界破り、俺がやろうか」
疾風だった。
少し考え、露李は笑顔で頷いた。
確かに、誰かに破ってもらった方がその後に動きやすい。
「うん、お願い。それから」
さっと皆を見渡すと、全員が神妙な顔で露李の目を見返した。
「結先輩、邪気を私の方へ出来るだけ誘導してください」
「おー!」
「文月先輩。何か起こるか分かったもんじゃないので、私たちの周りに壁を造ってください」
「おっけ、了解」
「理津、この周辺に耳塞ぎと目隠しお願い。人が来たら危ない」
「おう」
「静くん、結界の強化と海松ちゃんの安全確保を頼むね」
「分かりました」
「疾風。ここの結界を破って、そのあと邪気が出てきたら私が入ってから扉を閉めて」
「…承知した」
「氷紀兄様は──」
「俺はいつも露李の傍に」
「…お願いします」
それぞれの返事を聞いたあとで、各々が位置についた。
静と理津は二人で周囲を固めに行き、文月は木と氷で蔵を包むドームを造る。
そして露李、疾風、結、水無月の四人は扉の前に立った。
疾風が拳に赤い気を纏った。
「行くぞ。いち、に──さん!」
雷のようにバリバリと音が轟いた。
驚くほどの邪気が溢れ出す。
しかしまだこれは序盤だ。
「開けるぞ!」
疾風の手によって扉が開けられた。
「出でよ、雹雷鬼!!」
邪気が迸ると同時に露李が叫び、金銀の光がその黒を圧倒する。
周りに輝く結界が張られた。
「行くぞー露李!」
結がふわりと飛び上がり、翡翠の風を吹かせた。
邪気が流れる。
露李が雹雷鬼をくるりと舞うように動かすと、黒い気を包んだ銀色の球体がふわふわと浮かんだ。
「…グロテスクなシャボン玉って感じだなー!」
「結!ふざけてないで風!」
感想を言った途端に文月に叱られる結。