【流れ修正しつつ更新】流れる華は雪のごとく
***

 海松が用意してくれたお茶を飲み、別室で術を施されている水無月を待つ。

温かい部屋で飲む熱いお茶の美味しさは格別だ。


「あー、これからどうすっかなー」


足を畳の上に投げ出した結が天井を見上げながら言った。


「とりあえず帰らなきゃいけないでしょうねぇ」


少し残念そうなのは静だ。


「だね。報告とか記録とか、面倒そうだなぁ」


「うえ、俺やりたくねぇ。違うやつに任せよ」


「お前…本当に頭領なのか。少しは自覚と責任を持て」


真面目な疾風の言葉に理津が顔をしかめる。

あーあーすみませんねえ、と適当に終わらされた疾風はいつものように仏頂面になってしまった。

露李は文月と静に目配せし、微笑んだ。


相変わらずだ。


「そっかあ、帰っちゃうんですね」


「一応ね。これからの話とかしなきゃいけないし、それに俺達まだ学生だし」


その辺の学生よりは色々経験してきたが、所詮は未成年だ。

現実に引き戻された感覚に苦笑する。


「ま、何にせよ途中で総会抜けてきたし面倒だなー!」


とてもそうとは思えない明るい口調だが、結の表情が心底面倒臭そうだ。

静も突っ伏してしまった。


「静くん…そんなに嫌なの?」

と言うと、静はがばりと起き上がる。


「嫌ですよー!またしばらくご飯が侘しいですー」


「ご飯?」


「頭領は一人で食事を摂るんですよ。何か特別なときは母がいますけど」


「そっか…どうにかできないかなぁ」


伝統ですからね、と静は寂しげに微笑む。


「でもまあ、荷物をまとめるのは神影家に行ってからですかね」


「あ、そうだった」


気が重いなあ、と自分が言い出しておいて思う。


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