【流れ修正しつつ更新】流れる華は雪のごとく
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 鳥も木々も、星々さえも眠りにつく夜。

露李は布団から起き出し、巫女装束を纏い外に出た。

しっかりと中に温かく着込んでいたものの、やはり寒いものは寒い。

朝のきりっと澄んだ空気も好きだが、露李は夜のしっとりとした空気も好きだった。

疲れているはずなのに眠れないのは、きっと神影家に帰ることが気がかりだからだろうと自分の気持ちに見当をつけてみる。

こんな風に気が滅入る日は、夜の静けさの中で心を落ち着けるのが良い。

石庭をゆっくりと歩き、森の方へ向かう。


幼い頃から寝床を抜け出しては森で心を鎮めていた。

心も身体も痛むときは、夜の森の中で遊んだ。

たまに見える森にすむものと触れ合うのが楽しみだったのだ。


「──こんばんは」


話しかけると、ざわざわと木々が揺れる。

揺れがうねりに変わり、道が開けた。



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