アタシはイレモノ
「昨日、あの怖い3人組と一緒にいなくなっちゃったから、心配したんだよ!?」


そう言うと、亜耶は思い出したような表情を浮かべた。


「大丈夫だよ? 買い物しているあたしを見て一目ぼれをしたんだって。でも、告白は断ったよ」


「……それだけ?」


あたしは思わず聞いていた。


あの3人組が告白して断られて、じゃぁ諦めます。


と、帰っていくようには思えない。


それともそれはあたしの偏見で、実はものすごくいい人たちだったんだろうか?


「それだけだよ?」


亜耶は微笑む。


「亜耶……今まで男の人に傷つけられたり、傷つけられそうになった事ってある?」


「何言ってるの? そんな事あるわけないでしょ?」


亜耶は驚いたように目を見開き、そう答えた。


そんな事あるわけない……か。


残念なことに、痴漢くらいならあたしでも被害にあった経験がある。


亜耶がなにもないというのは、正直おかしい。
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