アタシはイレモノ
亜耶の噂
家に戻って着替えをしたあたしはリリと散歩に出かけた。


昨日は散歩する時間がなかったから、リリはすぐに走り出した。


両親も散歩をしてくれているけれど、昨日はたまたま時間がなかったのだ。


「ちょっと、早いって!」


あたしはリードを離さないように気を付けながらリリについて走る。


リリは真っ直ぐ公園へと向かい、ようやく歩調を緩めた。


リリにとってこの公園はかなりお気に入りの場所のようだ。


しきりに鼻を動かして周囲の匂いを嗅いでいる。


草むらに顔を突っ込んで草を食べているリリを見ながら、あたしはぼんやりと丸尾先輩の事を思い出していた。


先輩は一体どこへ行ってしまったんだろう。


明日には戻ってくるだろうか?


それとももう永遠に……?


そこまで考えて、あたしは強く首を振ってその思考回路をかき消した。
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