青い蝶


辺りを見回し ”ビワの実”を探した。
ビワの花言葉は〝治癒〟。薬草に使われる事だってあるのだ。

私の父は田舎の医者だった。私だってそれなりの知識は持っている。



「あった!」


見つけた、実になっているビワの実を木から取って
その実を強く絞り果汁(?)をまだらの口元に1、2滴垂らした



これで 少しは体力が戻るはず・・




「・・た・・すかるの・・?」



茶犬が掠れた声になりながらも、精一杯声を振り絞って尋ねてきた


「・・・・・」


額にたまった汗を拭きながら笑顔を作って。
茶犬の頭をポンポンっと軽く叩いた


とりあえず今は、二人のために全力を尽くそう・・!


そう決意し、まだらを背負い。茶犬君が下で支えてくれていた。
野次狼は何も言わず、動かず、ただこちらを見ていた
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