ずっと君を見ていた……
とたんにワァッとわくスタンド。


ベンチもみんな、グランドに飛び出していった。


サヨナラ2ランホームラン。


打った海人がホームに帰ってくると、みんなバシバシ叩いて大騒ぎだ。


私はマネージャーだから、グランドに出ていかれない。


涙で視界がぼやけていると。


「澪!!」
由菜が隣から声をかけてきた。
「ほら立って、こっちに来て!!」


私の手をひっぱると、グランドに出て行ける所まではひっぱってこられた。


「澪、ちゃんと見てたか?」


上から大好きな声が降ってきた。


「か……海人ぉ……」
泣き止まない私に、
「俺、約束守ったぞ!!澪、大好きだ!!」
ギュッと私を抱きしめて、みんなの前で……キスをした……。


涙がビックリして止まった私に。


「澪は?」


「私も大好きぃ~」


周りの声なんか、もうどうでもいい。


私は海人にギュッと抱きついた……。
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